5:00に目が覚め、船尾のデッキに出てみると、床や手すりが濡れています。
昨夜はやはり雨が降ったようでした。
間もなく、旅支度を整えて英人がダイニングに上がってきました。
曇りがちの空が朝焼けで染まり始めた5:30、英人とMujeyがドーニに移り、別れの挨拶を交わします。
たった3日間だったし、名前も覚えられなかったけど、やっぱり別れというのはさみしいものです。
特に、船だと姿が見えなくなるまでの時間が長いので、余計拍車がかかります。
私たちも明日はこの船とお別れなんだ、今日がダイビング最終日だ、とちょっと感傷に浸ります。
と思ったら、ドーニが堤防にさえぎられて見えなくなった途端にみんなダイニングに戻って
普段どおりの会話が始まりました。
この日のおめざは、またコーンフレークでした。

どこで潜るか聞かされていないし、太陽も隠れているので、
どちらの方向に進んでいるのかは島を見て判断するしかありません。
どうやら、リーフづたいに北東方向に向かっているようです。
ドーニを見送る頃から降り始めた雨がやみ、西の空に二重の虹がでました。
7:20、母船はクダラに到着し、風下側のリーフに碇を下ろします。
30分後、ホリデイ・アイランドで英人を下ろしたドーニに乗ってMujeyが戻り、ブリーフィングが始まりました。
1本目(#19):クダラ・ティラ(南アリ環礁)

この島からほぼ1km南東にある、ティラがクダラ・ティラです。
-40m超の海底から-14mまでそそり立つ、やや細長い形をした根です。
リーフ・トップの幅は約80mあり、西側に2つの独立したピーク(小さな根)があります。
北側はえぐれたようになっていて、東側から南側にかけての-20mには、長いケーブがあります。



北西側の深場のスロープには、ムチヤギやウミウチワが群生していて
グレイリーフ・シャークやホワイトチップ・シャークがいます。
ケーブの中はソフト・コーラルが豊富で、魚影も濃く、モルディブでポピュラーな魚たちがほとんど揃っている印象です。
南側のスロープには黒サンゴが群生しており、リーフ・トップもサンゴで覆われていて、ヨスジフエダイ他リーフ・フィッシュが群れています。
リーフのほぼ中央の窪みには、体長1.5mほどのレオーパード・モーレイイールがいます。
このウツボが人懐っこくて、フォトジェニックです。
とにかく見所満載で、南アリで1、2を争う好ポイントです。



ただ、南東に2kmほど行ったところにディグラシュ・カンドゥと呼ばれる広いチャネルがあるので、
常に流れがあり、ドリフトしながらピンポイントで-14mにたどり着くスキルが必要です。

流れはあまり感じませんが、リーフのトップでは強い流れにさらされます。
昨年11月に潜ったときよりも流れが強く、魚影も濃かったように感じました。
<ログ>En:8:15、Ex:9:04、Max D.25.2m。透明度:15m、風向:南西(強)、水温:29℃、カレント:中、W→E
朝食、移動
少し遅めの9:20から朝食が始まりました。
デザートに出てきたメロンがものすごくジューシーで、ちょっと贅沢な気分を味わえました。
メニュー
アップルジュース、フレンチ・トースト、トースト、オムレツ、チキンソーセージ、メロン、洋梨の缶詰
次のブリーフィングは11:00から、とホワイト・ボードには書いてあります。
曇り空で日焼けもできないので、ダイニングのソファで読書してると、10:00に母船が動き始めました。
クダラから4km北西にあるマチャフシ・アイランド・リゾートに着くと、島の北東に停泊します。
2本目(#20)クディマ・レック:(南アリ環礁)

クディはディベヒ語で「小さい」、マアは「過ぎる」という意味があるようです。

わずかに左舷側に傾いていますが、水平に近い形で沈んでいて、船首からはアンカー・チェーンが伸びています。
甲板は船主側で-20m、船尾側で-24mで、船尾寄りにあるブリッジは-16m前後になります。
マストが2本延びていて、先端は-12mです。
海底にはホワイトチップ・シャーク、アオヤガラやアカククリの群れがいます。沈船の周囲の中層にはマダラタルミやギンガメアジが群れています。
*上のポイント・マップの方位が南北逆になっていました。
沈船の沖側でエントリーして、リーフに向かって潜降していくと、
まず、ぼんやり左舷が浮かび上がり、続いて船の向こう側にリーフの斜面が見えてきます。

傾いた船底の奥に、2mを越えるおおきなホワイトチップ・シャークが2匹、ゆったりと泳ぎ回っています。
船尾側ではアカククリが大きな群れを作っていました。

それぞれ、自分が狙った被写体をじっくり時間をかけておさえています。
無減圧限界を気にしながらリーフ側(右舷側)にまわり、徐々に深度を浅めにとりながら船首側に進んで行きます。
船尾から船首に向けて穏やかなカレントがあり、船首に向かうときは流れに乗っていけるのでとても楽です。

甲板上にはそれほど魚は群れていません。サンゴやソフト・コーラルも、まだあまりついていません。



ブリッジの中は小魚がびっしり群れていて、ライトを向けると銀色に光ります。
潜降開始後(以下同)30分を過ぎ、-20mでも無減圧限界まで7分を切ったので、マストについているマクロ系を探しながらゆっくり浮上していくと、他のメンバーも徐々に集まってきます。
打ち合わせたわけでもないのに、38分頃には全員がマストのてっぺんに集合したので、Mujeyの合図に合わせてカレントに乗りながら水面を目指しました。
のんびり自由にバディ・ダイビングが楽しめた、いい1本でした。
<ログ>En:11:28、Ex:12:11、Max D.30.0m。透明度:18m、風向:南西、水温:29℃、カレント:穏、E→W
つづく
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